猫の言葉社日記

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アトリエ・ヘルヤ

2014.7.23


陶板の作者ヘルヤ・リウッコ=スンドストロムは、ヘルシンキのアトリエ(製陶アラビア内)のほかに、Humppilaというところに個人のアトリエを持っています。フンッピラは、ヘルシンキから130km離れたところ、ちょうどトゥルクとタンペレの間くらいにあります。アトリエ・ヘルヤは公開しているので、だれでも訪ねることはできますが、外国人が個人で行くには、ちょっと行きにくいところです。フィンランド人は、たいてい観光バスで、アトリエを見学に行きます。

私は、ヘルシンキからヘルヤの車に同乗させてもらいました。ヘルヤは70代でも運転はお得意。スピード違反を取り締まるカメラの前では、少しスピードを落として走っていました。そのカメラは運転手の顔がよくわかるほど鮮明な写真がとれるとのこと。ヘルヤも何度かスピード違反の罰金をとられたことがあるそうです。ビュンビュン飛ばすのが好きなんですね。

赤いシャツの男性がオッリ・ヴァサ氏

私が行った日は、11時と15時にバスでグループが見学にきました。グループが来ると、アトリエ・ヘルヤの設計者であり、フンッピラの隣人でもあるオッリ・ヴァサが、まず、建物について紹介し、ヘルヤが作品についてお話していました。オッリもアラビアで作陶の仕事をしていた時期があります。ヘルヤは、お母様の一生を陶板で作ったシリーズの前で、家族の話を中心に1時間くらい講義をしていました。

「ヘルヤの名前やデザインはもちろん知っていましたが、個人的なことは知らなかったので、話が聞けてとても良かったです」と、帰り際に挨拶をしていた人がいました。たぶん、他の人たちも同じ思いだったのではないでしょうか。皆さん、記念にポストカードなどを買っていました。ここでは、一点物の作品なども買えます。

講義をするヘルヤ

私が初めてフンッピラのヘルヤの別荘に遊びに行ったのは1986年の夏です。チェルノブイリ原発事故があった年なので忘れられません。まだ、アトリエはありませんでした。アトリエ・ヘルヤは2005年に完成したのです。本当に見事な建物で、大通りを車で通りすぎるとき、すごく目立つと思います。車から見て、びっくりして立ち寄る人もいるそうです。端から端まで80mもあり、アトリエは鳥をイメージしての設計。光がとても美しく差し込みます。ヘルヤの夢が実現したのですね。

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