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「わすれられないクリスマス」の書評

2008.10.10


わすれられないクリスマス

フィンランドの新聞に掲載された書評をご紹介します。

小学生の少年オンニは、両親があらゆる物を与えて甘やかしているにもかかわらず、毎日ふさぎこんでいる。クリスマスになると、親からのプレゼントの洪水はさらに勢いを増す。お金が物を言うビジネス界の父親は、オンニにいろいろな物を買って来るのだ。
座ってスイッチを押すだけで雪合戦ができる雪のボール・マシン、自分でこがなくても勝手にペダルが動く室内用自転車、自動的に真ん中に当たるようになっているダーツ、すでにたくさん切手が入っている切手収集セット、等々。何を見ても、息子が興味を示さず、退屈しているので、父親は不思議に思う。そして、プレゼントを次々に開けるプレゼント・ショーは、次の日に持ち越すことに・・・
すると、運良くぐっすりメーメさんが、クリスマス・イヴにも夜の散歩に出かけ、サプライズを行うことになる・・・
あくる朝、町の人たちは大喜び。なんと、オンニも!
マウリ・クンナスは、またもや気のきいた児童書を創作した。オンニの話は面白いし、同時に、物質主義の批判にもなっている。—「イルッカ」紙

自分の部屋のベッドでボーッとしているオンニは、物がありすぎて、何にも興味を抱かない。父親はこの状況を理解せず、無感動なオンニにどんどん物を与え続ける。この本の教訓は、何から何までお膳立てをしてはいけないということだ。
本の最後に明かされるクリスマスのサプライズは、特に男の子たちが喜ぶだろう。子ども自身がアイデアを出して自己実現することに勝るものはない。—「イタ・サヴォ」紙

両親が子供にたくさん物を与えても子供が喜ばない、というストーリーはよくある。だが、マウリ・クンナスは、独自の新鮮なスタイルで本をまとめたので、テーマの古臭さを感じさせない。—「キュメン・サノマト」紙

(この記事の文章および画像を無断で使用することを禁じます。(C)猫の言葉社)

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