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マウリ・クンナス作「わんわん丘に冬がきた!」

2016.1.20

猫の言葉社 2015

この本には、冬の到来から春を迎える復活祭までの生活が楽しく描かれています。
電気もガスもない時代に、厳しい自然環境の中でどんな暮らしをしていたのか、子どもたちはどんなことをして遊んでいたのか、興味深いことがたくさん詰まっています。

フィンランドの歴史がよくわかる、読み応えのある「わんわん丘」シリーズの1冊です。

いろいろな遊びをしているクリスマスのページ

クリスマスには、麦わらや棒を使った遊びで、子どもも大人もゆったりと過ごしました。

クリスマスに教会へ行くことは一般的になったようですが、仮装した男のグループが村を回ったり、そりすべりの日(この日から復活祭まで、肉などの断食をする)を村じゅうで楽しんだり、復活祭に魔女が出てきたりと、キリスト教が伝わる前の農村の伝統がよくわかります。

「わんわん丘に冬がきた!」のカード(猫の言葉社)
(C)マウリ・クンナス

雪と氷に覆われた美しい冬景色。

でも、自給自足の生活は大変です。わんわん丘の家には、ヒスキじいさんという居候がいます。家族も家もないので、今は、この家に住まわせてもらっているのですが、しばらくすると、また次の家に行くのかもしれません。相互扶助で成り立っていた時代です。

マウリ・クンナスの絵本ですから、どのページも楽しさ満載なのですが、貧しい人たちも出てきます。家がない人たち、食べ物が底をついてしまった人たち、一家に靴が一足しかない小作人の子どもたち・・・。さあ、どうやって厳しい冬を乗り越えるのでしょう。

この本を親子で見ながら、話し合うテーマがたくさん見つかりそうです。

猫の言葉社 2014

こちらは、雪が積もっていない季節のわんわん丘のお話です。

大人は、昼間は外で仕事をしますが、夜になると、家の中で作業をします。
仕事をしながら、みんなで昔話をしたり、たまには、旅人が立ち寄って、ほかの土地の珍しい話を聞かせてくれることもあり、子どもたちは数々の昔話を聞いて楽しみます。

フィンランド南西部に伝わる愉快なお話が9話も入っていますので、わんわん丘の楽しい世界にますます魅了されるでしょう。

(この記事の文章および画像を無断で使用することを禁じます。(C)猫の言葉社)

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