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マウリ・クンナス ― 仕事と趣味

2008.11.19


マウリ・クンナス

マウリ・クンナス(C) Miharu Inagaki

作家や画家の仕事って、とっても楽しいよ。好きな時に仕事ができる。だけど、かなりたくさん仕事をこなさなくちゃならないし、なまけられない。こういう仕事は孤独だよね。だから、いつも面白いってわけじゃない。

僕は家の地下室で仕事をする。つまり通勤距離は7メートル。幸い僕の出版社オタヴァはけっこう近い。少なくとも週に1回は出版社に打ち合わせを兼ねてコーヒーを飲みに行く。夏は故郷ヴァンマラの別荘で過ごすんだけど、そこにも僕の仕事場があるんだ。

僕の絵本のアイデアは、いつでもどんなことからでも生まれる。人と話しているときに、「あっ、これは本にできるぞ」と思ったことが何度もある。何か絵を見て考えが浮かぶこともある。こういう絵は、本の中でよく見えるだろうなってね。

たいていアイデアはゆっくり生まれるんだ。たとえば・・・僕はフィンランドの歴史に興味を持っている。どうやったら本にできるか、まずは自分で考えてみる。時には、編集者と一緒にいろいろなテーマについてじっくり話し合う。妻のタルヤもいいアイデアを出してくれるし、僕のぶっとびすぎているアイデアについては、適切な批判をしてくれるんだ。

仕事をする時間は、自分で決めていいわけだけど、趣味に当てる時間が全くないような感じがする。時間があるときはいつも、映画を見に行くけどね。アクション映画をよく見る。大好きなのは、ヒッチコックと昔のジェームス・ボンド。マルクス兄弟も面白いね。

読書もするよ。なぜかビートルズについて書いてある本を読むのが好きでね。趣味はビートルズってとこかな・・・。レコードと、古いインタビューや記者会見のテープを集めている。ビートルズの伝記をマンガで描こうかと思って、もう10年以上構想を練っているんだ。実現するかどうか・・・。歴史の本もたくさん読むよ。特にバイキングの時代が好き。それと、あとは推理小説かな・・・

テレビはほとんど見ない。でも、イギリスの連続ドラマはビデオに録っておいて、夜、寝る前に見る。毎晩テレビの前に座ったきりなんてありえない。僕は夜も仕事をするんだ。

最近、系図学にも興味がある。家系や血統を調べていくうちに、フィンランドの歴史がわかるようになってくる。

さっき、趣味の時間がないって言ったけど、けっこういろんなことをやってるよね。でも、一番大事な趣味は、ストーリーを考えることと絵を描くこと。つまりそれが僕の仕事なんだけどね。まあ、運のいいヤツってとこかな・・・。(マウリ・クンナス談)

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